建築に於いて、床は神聖なもののように感じます。少し大袈裟かもしれませんが、床を確保するために建築すると言っても過言ではないのではと思います。床は当然活動するためのスペースとなります。活動するためには水平でなければなりません。地面は傾斜があったり凹凸かあったり、硬かったり柔らかかったりしていますので、生活するのは困難です。そのために地面から少しレベルの高いところに、わざわざ水平面を作らねばなりません。それが建築の最も重要な機能の一つです。ですから床面積という概念が重要になってくるのです。床面積そのものが財産となるのです。
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仁井田本町の家。ロフトにパイン無垢材を張る。 クリアの塗装で仕上げましたが少し年月が経ち飴色に変化しています。 |
そのように、みなさん床にこだわりを持ちますので、住まいの床をどんな材料で仕上げるかということに関しても、とても真剣に向き合うこととなります。
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仁井田本町の家。玄関上がり部分。 玄関は磁器タイル、床はナラの無垢フローリング。 温かみのある色合いで人気があります。 床と玄関の段差はなるべく小さくして外部で高低差を解消するように心がけています。 |
また、メンテナンスを考えてキッチンやトイレなど水周りだけビニルタイルなどで仕上げることもあります。
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西屋布の家。スキップフロアの例。 リビングの床を下げることにより、つながったLDKの中に少しだけ心理的な距離を生み出し落ち着きを与えます。 |
床の仕上げについては、いつも施主さんの葛藤が垣間見られ、面白いものです。
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仁井田蕗見町の家。予備室を畳床にした例。 昔ながらの真壁和室にすることも少なくなりました。畳はダイケン工業のここち和座です。 |